光と風の万華鏡

出展場所  あしかがフラワーパーク イルミネーションコンテスト
期間 2014年 10月25日 点灯式 2015年2月5日まで出展
使用LED 1000球
大きさ 横幅 約50cm 高さ 約175cm

動画

申し込み
昨年イルミネーションコンテストに出展した後は、次の年もやるつもりだったけど、あしかがフラワー
パークのウエブサイトに募集も掲載されてなかったし、何を作るか案も浮かばず止めかなと思っていた。
誕生日が近づいて来た頃(昨年は誕生日に申し込んだ)、フラワーパークから案内の電話がかかって来た。
何も案が思いつかない事や、やり始めると2ヶ月近く大変になりそうで迷っていたけど、取りあえず今年も
申し込んでしまった。

自分自身のテーマ
具体案は何も無いけれど、自分自身で今年のテーマを勝手に決めていた。
 ・直接光は使わない (間接光、反射光を使う)
 ・動きを与える

試行錯誤
最初は丸の内駅舎を作ってみようと思った。左右のドーム部分に回転する反射板をつけ、駅を間接光で
照らすと奇麗だろうと考えた。3D Blender で、簡単なパネル構成の丸の内駅舎の右半分を作ってみた。



可動部は、LEDやケーブルを動かすのは大変だし動かす為の努力等の準備も大変なので、反射板を
風の力で回転させる事を考えていた。回転部分だけ、昨年の余った材料で簡単な実験を行ってみたが、
結構な大きさが必要で、見合った駅舎全体はとても大きくなるし、簡単に作り込めないと感じた。

可動部は、最初はペットボトルの風車を考えた。ペットボトルを数本、いろんな形状に加工してみたが、
平たい形状で風で回る安定した形は作れなかった。試行錯誤の後、スチロール系の素材でファンを作り、
片側だけ風を受けるようなケースに納める事に決めた。



反射板はダイソーで団扇のデコ用シールを見つけた。いつも飲んでいる発泡の水のペットボトルの周りに
デコ用シールを貼付け回転させる事にした。軸は最初はミニ四駆で使っていたベアリングを使い軸にして
みたが、軽い風の力では回りそうにない。強度的には問題だけど、思い切ってテグスで吊るす方法を試した。

背が低いと見にくいのである程度の高さは必要だと考え、回転構造の2段重ねにしたいと思った。
何を作るか決めてないが、今回は配給される網を使う予定で2段重ねのサイズを算出した。

LED入手
あしかがフラワーパークに行き LED 1000球を入手。金網は必要なサイズに切り、折り曲げてから
持ち帰る事にした。金網の網の間隔が広く、設計サイズでうまく切ったり曲げたり出来ない為、
金網の間隔に合わせ設計値より大きなサイズに変更する事にした。

万華鏡
光の反射を万華鏡を通して見えるようにしたら奇麗じゃないかと思った。1辺4cmで正三角柱を作り
内側にアルミ箔を貼って簡易万華鏡を作ってみた。鏡に較べると反射の仕方が悪いのでいまいちだけど、
量産するには鏡の利用は無理だと思った。

万華鏡を複数作製しこれらを並べて反射を見ると、回転した動きが面白くかなり良いものになりそうな
気がして来た。万華鏡を6つ組み合わせ6角形にしたもので反射板をのぞくと、反射部分がいろんな
方向に動いているように見えかなり奇麗だった。



下段は今年流行ったアナと雪の女王の城のシルエットにして、上段に6角形を利用した雪の結晶を作ろうと
製作を開始した。下段は3面を利用し、シンデレラ城、アナ雪の城、ハリーポッターの城をシルエットで作製
上段は雪の結晶はやめ、ただの6角形を沢山配置する事に決めた。万華鏡の並べ方を変えると、それぞれ
雰囲気が異なってくるので、これも3面それぞれ異なるパターンを作る事にした。
部分的にアルミテープではなくカラーの反射シートを使う事により、更に変化が生じて面白くなった。
最終的に87個の万華鏡を使用した。

シルエット
の段の3面を、スチロールでシンデレラ城、アナ雪の城、ホグワーツ城のシルエットに切り抜き、
半透明のプラシートに貼付けた。いずれもダイソーで1枚100円で購入。



LED取り付け
四角柱の四隅に、それぞれLEDをライン状に並べたものを作り取り付ける事にした。上下で計8つの
LEDが並んだ棒状のものを作製する。1つのラインに100個のLEDを使うとちょうど切りが良いので、
前後に10個ずつ配線用に余らせて約80個のラインを作製。ケーブルが邪魔になりうまく収まらず、
LEDを一つずつ針金で巻いて固定し、ライン状に並べたものを2枚の細長い発泡スチロールではさみ
こんだ。これらを四隅に配置。

反射板
ペットボトルに反射シートを巻き付けて利用する予定だったが、最初の計画より大きくなったため
直径の大きな円柱が必要になった。ペットボトルは軽くて強いので、これを芯に利用し、この周りに
発泡スチロールの輪っかをかぶせ、外周は半透明のファイリング用のポリ素材を切って巻き付けた。
強度的にはとても華奢で弱いけど、つり下げるので軽さを最優先した。





送風ポンプ
ある程度の風があれば自然に回転するが、動きが面白いので無風でも回転するようにしたかった。
ダイソーで足踏み式の空気入れを見つけ、ストローで上下のファンに分配して風を当てる仕組みを
組み込んだ。強度的に問題があるのと、分解の際に面倒だけれど、足で踏んで回転を与えられるのは
ちょっと面白い仕組みだと思う。



プロジェクション
余った200個のLEDを使ってプロジェクションをやろうと思った。最初は本体に月や地球を投影して
みた。濃淡があれば意外と良く映り面白い。が、離れた所にプロジェクターを設置する必要があり
ちょっと難しそうなので、上から地面に対して、それぞれの面のパターン3種類を投影する事に決めた。



LEDはレンズ付きのタイプではないので、全面に集中して光をとばす事が出来ない。80個のLEDを 束ねても思ってた程強力ではなかった。投影面との距離により、レンズとシートの間隔を調整する
必要があり筒をスライドさせて調整出来るようにしていたが、取り付け位置を決めた時点で固定した。

ダイソーで入手したルーペの焦点距離が、実験で利用していたルーペより遥かに長く、予定していた
筐体(500mlのペットポトル利用)には収まらない。結局ダイソーのルーペ2枚重ねで対応した。
同じものでも焦点距離がかなり異なり、それぞれ異なる長さに設定する必要が生じた。

投影内容はパソコンで作製し、耐水性透明シールを買って来て印刷した。



余った金網があったので、これを使って更に上に積み上げる部分を作製し、ついでに雨や雪を避ける為の
スロープを付ける事にした。網が足りずに思い通りの造形が出来ず、3個のプロジェクターを狙った
角度に設定出来、雨や雪防止の斜面を持つ要求を満たすだけの造形にした。

耐水透明シートが残っていたので、背面と横に投影パターンと同じ図案でぼんやり発光するモノを
作り取り付けた。モノ自体は面白い出来だけど、全体と調和はとれてない気がする。







搬入、設置
あしかがフラワーパークに搬入、3つの部分に分けた状態で積み込んだ。
壊れそうなので立てたままの状態で運びたかったが下部は横向き、上部は傾けて
隙間にねじ込むように詰め込んだ。現地での組み立ては問題なく完成した。



点灯式
3時半から始まったレセプションに参加、事前に設置状態を見に行ったが下のファンが
回らなかった。レセプションの途中で抜け出し工具を持って来て修理した。
原因は分からないがファンの中心がずれてしまっていた。修理して補強しておいた。

点灯式を終えた後、展示を見に行った。まわりが明る過ぎてプロジェクターが全く見えてなかった。

空気ポンプは列が出来る程で好評だった。でも鬼のように踏みつける人が続出。壊れそうだなと
思っていたら、帰る時には既にポンプが壊れていた。ポンプが元の位置に戻らなくなり空気が
送れなくなった。踏めなくて回らないときのユーザーの罵声が痛かった。



送風装置の改良
プラスティック製の足踏み空気入れは、他の製品も探してみたがあまり強そうではなかった。
足踏み式のタイア空気入れを検討したけど、これは小さな子が指を挟んだりする危険性があると
思った。杭を1本打って自転車用の普通の空気入れを取り付けるのが一番安定するのではと考た。

修理に行った。設置後2週間くらいしか経っていないけど、羽根が1箇所割れていて、送風の
ストローも曲がっていた。回らないので手を突っ込んでまわした為だと思う。

羽根と送風ストローを修理して、自転車の空気入れを杭に固定して接続した。想像していたより
風量が少なく、回転が鈍いのが気になるけど、前回のポンプより長く持ってくれるだろうと思っている。

地面に余った白いパネルを置くと、かろうじてプロジェクションのパターンが見える。キャンバスが
使えるのではないかと思い後日購入した。踏みつける場所なので設置が難しいが試してみたい。