リフレクション

出展場所  あしかがフラワーパーク イルミネーションコンテスト
期間 2015年 10月25日 点灯式 2016年2月4日まで出展
使用LED 1000球
大きさ 横幅 高さ155cm 幅、奥行き 75cm

今年のテーマ
仕事でヘッドアップディスプレイに関わっていた為、今年は反射させて虚像を見る物を作ろうと思った。
最初はスマホやフォトフレームを下において、虚像を複数見せるもの、ちょっとずつ奥行きが変わるものを
考えて作ってみた。かなり面白いものが出来たので、使わなくなったフォトフレームを使いイルミネーションに
組み込む事にした。



イルミネーション自体も、すべて反射を利用しようと思った。一番下に光源をかためて配置し、
空中に反射板が置かれたものを作ろうと思った。いくつかスケッチを描き、最初は木のように1本の
軸から様々な方向に反射板を設置しようと思ったが、制作と耐久性を考え、沢山のキューブの集合にしようと
考えた。3Dツールで作ってみて、ガラスの位置を色々と変える事により、見える像の距離が変わるように、
またどの面も必ず光を反射出来るように配置を考えてみた。フォトフレームを利用した表示装置は、
真ん中丈夫に取り付けることにした。



反射板のプロトタイプ
どのような実現方法が良いか色々と試行錯誤しながらプロトタイプを作ってみた。
最初は1つ1つ立方体と反射板を持つ物をつくり、これを積み上げて作ろうと考えたけど、
27個の立方体と反射板を作るのはかなり大変だとやりかけてみて実感した。
プラバンと100均のスチロール系のボードを棒状に切って使い、簡単な反射板部分を作ってみた。
プラバンが足りなくなり残りは半透明のモノにしてみた。立体を27個つくるより楽になったけど、
これはなかなか大変だと思った。
箱にLEDを入れて、その上に置いてみると、小さいけど割と面白い物が出来そうな気がしてきた。



制作
フォトフレームを使ったディスプレイを真ん中に置く場合、1辺が25cm、全体が75cmになった。
75cm の立方体を作った場合、車に載るか計ってみると無理だった。この為一度作った後分解して運び
現地でもう一度組み立てる方針にした。
組み立てやすく、ある程度強度がある材料を探しまわり、今回は百均の園芸用の棒を使う事にした。
真ん中を貫く4本の支柱は、これも園芸用の150cmのモノを4本使う事にした。



反射板にはアクリルパネルを使う事にした。1mmの薄めの物で、畳一畳程の大きさの物を購入し、
店の工作室でアクリルカッターを使って切断した。今回は大きなパネルを2枚かって、25枚分の
反射板と、フォトフレームのディスプレイを入れる為の防水ケースを作る為に利用した。

アクリルパネル25枚の取り付けは、方向に注意する必要があるし結構大変だった。傷つき防止と
透明だと見辛いので保護用の紙を貼ったまま作成した。



900球のLEDを底面に敷き詰める事にした。反射している所を見たかったのでアクリルに貼っていた保護を
取り去り点灯してみた。また、LED部分をそのまま見せるか隠すか迷い色々と試してみた。パネルに絵を描き
藤の絵を見せる実験もしたけど、結局黒いパネルで隠す事にした。反射光を見てもらいたいのと、パネルの
内側に反射する光が奇麗だったのが決め手だ。



ディスプレイ部分のケースはアクリルで作成した。防水効果が必要なので、組み立てた後にシール剤を
使って防水した。最初はマスキングせずにやった為、仕上げが汚くなってしまった。

運搬の為に車で運べるサイズに一旦分解した。



現地での組み立て
あしかがフラワーパークに一式を運んで組み立てた。午前中から作業を開始したが、結構時間がかかり
閉園ギリギリの時間、かなり暗くなった頃にようやく完成、残りの100球のLEDは、黒いパネルの周りに
ちりばめてみた。黒い部分にほのかに反射するのが面白い効果だと思った。
最後に全部を点灯させてみた。





点灯式
前日にフラワーパークから連絡があり、ディスプレイの電源が入らなくなった事と
ディスプレイの反射板が外れてしまった事を聞いた。ディスプレイはもう少ししっかり留まるよう
付け方を工夫する事にして、電源の方は原因が分からないので予備の機械を持って行く事にした。

昨年に引き続き、2年連続で点灯式やレセプションの前に修理する事になった。
実物を見てみると、ディスプレイの内部につけていた反射板3枚が、見事にグニャグニャに変形して
下に落ちていた。熱でここ迄曲がるのかと驚いた。耐熱50度では全然足りなかったようだ。



アクリルパネルで防水の為に全体を密閉していたので、温室のように温度が上昇したと思われる。
仕方が無いので下部の密閉をやめ、開けっ放しにする事にした。
アクリルパネルは手持ちの同じ物を切ってつけ直した。後日熱に強い物に変える必要がありそうだ。
電源が入らなくなったのも同じ理由で、スイッチを弾力で押すようにしていたアクリルが変形して
しまった。これも仕方が無いので同じアクリル素材で作り直し、固定方法を少し変えた。

点灯式は無事に動作した。だけどアクリル反射板の汚れがかなり目立ち、しばらく経ったら相当酷い
状態になると思われる。屋外なので仕方が無いけど少し残念。



フラワーパーク自体は今年更にパワーアップした。花をテーマとした新設のイルミネーションが奇麗だった。