富士山
出発日 2002 07月12日深夜から13日にかけて
天候 夜間晴れ、ご来光、頂上曇り、下山雨
コースタイム 富士スバルライン河口湖口5合目(0:10)=>吉田口5合目出発(0:30)=>6合目(1:30) =>7合目(2:30頃)=> 8合目(3:45)=>(5:45)山頂(6:30)=>吉田口(9:05)
標高差 河口湖口5合目2300m 剣が峰は3776m 標高差 1470m (但し今回は久須志神社の山頂地点まで)
行程 以前から富士山を登る場合、どのような日程にするか色々と考えていた。まっとうな 計画ならば、2日で1日目は8合目までで宿泊、次の日に山頂を目指す行程。
その他、早朝に出て日帰り、夜から登りはじめ朝下山してかえる行程を考えていた。
今回は土曜日後半からは天気が崩れる予測、海の日以降はかなり混む事、今年は是非 富士山に登っておこうと考えていた事などから、かなりきついとは思われたが、 金曜日、会社が終った後家に戻り出発し、夜に富士山に登る計画を実行する事にした。

富士山は台風の被害、影響を受けてなく、登るのに問題がないようであり、また直前の 台風でこの週末はそんなに多くないだろうと言う予測を立てていた。
中央自動車道に入るまでに結構時間がかかり、登山開始は考えていた時間よりも遅く なってしまった。

中央自動車道で河口湖直前で富士に電気の光が縦に並んでいるのが見えた。 富士スバルラインの車の跡だろうと思っていた。実はこれは登山道の明かりだったのが 実際に登りはじめてから分かった。

5合目駐車場は一番近い場所にとめる事ができた。それほど混んでないと言う事だ。 但しこの駐車場はほぼ満車状態で、今から出かけようと準備をしている人たちも 結構見受けられた。
土産物屋の前では団体客が多数集合していた。こんな時間に結構な人が集まっている ので驚いてしまう。

登山道入り口はちょっと分かりにくい。土産物屋から出て左に進み、右側の上に少し あがる道に進む。入り口には登山道等の表示が何もなく分かりにくいが、少し進むと 登山の注意点が書いていて、もっと進むと分岐地点に登山道の表示があった。
最初は誰もいないし少し下りになっていて本当にこの道で合っているのか少し不安に なりながら歩いた。

佐藤小屋への分岐地点で表示があり、6合目への登りの道へと入っていく。 遊歩道のような登りの道で、ヘッドランプで歩く事が初めての体験で面白い。 この辺りは真っ暗だけど、上を見ると富士山へ向けて途中から光の列が見えている。 これが高速からも見えていたあかりで、登山道の小屋毎に照らしている。
手を使う必要の全くない道なので、ヘッドランプから手持ちの懐中電灯にかえて みる。星を見るときはこちらの方が光を足下に向けておけるのでよい。結構 多くの星がきれいに見える。

6合目へ到達。1時30分ぐらい。ここからジグザグになった上り道が続く。
退屈したら星や夜景を見る。星もきれいだし、夜景も河口湖周辺が凄くきれいだ。 ジグザグの曲り角地点で休憩している人がわりと多い。

2時半頃に7合目へ到着する。下から見えていた電気の列の最初の地点である。 ここから7合目と書いてある小屋と休憩所がある程度毎に続いてあらわれる。 この辺りから道が変る。今までの緩やかな登りから、結構急で石や岩の上を 登るコースとなる。手を使った方が良い所もあるし、足をつく場所も選ばなければ ならない。懐中電灯からヘッドランプに切り替える。僕はこのような道の方が 登りは退屈しないで楽しいと思う。下りはちょっと嫌だけど、ここは下りは別の コースとなる。
また、風が一段と強くなり、頂上から吹き下ろされる風で歩きづらい。気温も 冷えて大分寒くなって来た。途中の休憩所で手袋をつけ、レインウエア兼用の アウターも着る事にした。
休憩所のベンチで座って寝ている人が結構増えている。同じような仕事帰りの 徹夜登山者だろう。

小屋は結構続いたけど、7合目という表示が多く、なかなか8合目に到達しない。

8合目に到着。約3200mくらいである。1時間ごとに次の合目につくかと思って いたけど今度は3時45分頃となってしまう。ちょっと休憩し軽く食事を取る。 かなり寒い。 アウターの下にフリースを来て、ズボンも雨用のアウターを上から履く事にする。 膝も冷えるので片方にサポータをつける。

ここから道はまたジグザグの道になる。退屈な道だけど、踏み崩れて前に進みにくい 事と風が強くて押し戻されてなかなか進まない。おまけに1歩進むのにかなりゆっくりに なって来た。とまっている人も多い。ここからストックを使う事にする。


東の空が少しずつ明るくなってくる。8合目最後の小屋に差し掛かったとき、 頂上でのご来光は間に合わないのでここで休憩してみていけと誘っている人が いた。全体がかなり明るくなって来たのでランプをしまう。

休憩している人、ご来光に向け準備している人が目立つ。ちょこちょこと一服 しながら登る。鳥居を過ぎたあたりからかなり疲れが出て来た。何回も日の出の 方角を見ながら休憩する。



4:35頃、雲の中から太陽が点のように見えた。周りの景色がとても美しい。 山中湖がちょうど太陽の方向に見え、その周りに山々が連なっている。



また 右手側には雲海が広がり、左手側は金峰や八ヶ岳が見える。


4:45頃、雲の上に太陽があらわれた。来て良かったと思う光景だ。
ちょうど腰かけになるような岩を見つけて座って休憩する。 ひとしきり風景を楽しんだあと、眠くてたまらなかったのでうとうとと 仮眠をとる。かなり寒かった事と、あまり座りの良くない岩の上に腰掛けた だけだったけど15分程度寝たり起きたりしている内に目が覚めて来て 体が回復して来た。軽くエネルギーを供給して登山開始。

仮眠の効果がかなりあったようで、もう足取りは重くない。階段を上りきり、 また途中の小屋があるのかと思っていたら頂上だった。5:45分到着。




東の空は太陽が出て明るいけれどその上に結構黒い雲がいた。
早速火口を覗きに行く。


目の前には丁度向こう側にあたる剣が峰が見えた。 いまから行こうと思っているんのに、向こう側から雲が迫って来ていて 剣が峰は見ている内に雲に隠れてしまう。火口は下まで見えた。もっと奥深く まで穴が空いているのかと思っていたけど違った。


このまま一周しようと思っていたけど、雲の中に入ったようなので一旦 雲から抜けるまで休憩する事にする。

小屋で朝食を取った。 休憩していると雨が降って来たという客が入って来た。雨が通り過ぎるまで のんびりしておこうと思っていたけど、小屋の人から今後ひどくなると 思われるので準備のできている人は早めに下山開始した方が良いと言われる。 頂上でいろいろと楽しもうと思っていたのに少し残念。お鉢巡りも次回に とっておく事になってしまった。

ビデオをビニール袋に入れリュックにつめる。その他は既に防寒のために 着込んでいて雨対策は準備済みであった。

6:30頃、下山道を降りはじめる。砂のような道で結構な速度で降りても大丈夫。 最初の分岐点まで一気に降りる。素走り口江戸屋に向けてさらに降りて行く。
降りやすいけど同じような道でずっと同じ場所に負荷がかかるので、足への負担は 結構大きいと思いながらどんどん降りて行く。

江戸屋から河口湖スバルラインに向けた下山道に入る。ずっと下まで大きなジグザグの 道が連なっていて、そこに人が連なっていて、長い道のりを見下ろす事が出来る。
雨はずっと降り続いているけど、向こうに見える山々の景色は結構美しい。
八ヶ岳や金峰がよく見えるし、甲武信方面の山々も良く見える。残念ながらカメラを 出したり地図と見比べて山の名前を調べたりという余裕は無かった。

ジグザグが終わり、出発時に通った6合目に戻る。後は行きに来た道を戻るのみ。
雨はやまない。足がかなりへたって来ているのでゆっくりと歩く。登ってくる団体と 沢山すれ違ったけど、今日登る人は雨で大変だと思う。

最後に緩い登りの道。馬に乗った人に数回すれ違った。9:05分、出発地点に到着。 ズボンの裾、靴は富士山の泥(砂)だらけだった。
帰宅して後始末をしているときに分かったのだけど、リュックの中はすべて水浸しで あった。防水効果はほとんどないみたいで、濡らしたくないものはビニールで パッキングしておく必要がある。下山している人のリュックカバーが外れたり ずれたりしている人が多く見かけられ、リュックカバーより中の防水が必要そう。
服は上下とも全く水の侵入は防いでいたようだ。これは今後も心強い。
但し下に来ていたフリースが余分で結構汗をかいた。本当は途中で脱ぎたかったんだけど、 雨が降り続いていて脱いでしまう事ができそうになかったためである。
感想 富士山は山登りをするずっと以前から、登りたいと思っていた山である。 山登りを始めてからも、1度は登っておかなければと思いながら、登れる期間が 短く、また宿泊の場合は日程の調整が必要等、なかなか実現できなかった 。

今回はヘッドランプを使った夜間登山を楽しめたし、7合目から8合目の登山道は 退屈もせず面白かったし、ご来光も頂上からでは無かったけど楽しめた。 かなり満足している。但しお鉢巡りが天候急変の為実行しなかった。これはいずれ もう一度来た時に実現したいと思っている 。 仕事が終ってから出かけてそのまま登ると言う今回のやり方は結構きついので、 次に登るときは別の方法をとりたいと思う。但し夜に登って日の出を見るのは 捨てがたいので、昼に寝ておいて夜に出かけるのがいいかもしれない。