尾瀬 燧岳
出発日 2003年 6月21日
天候 薄曇り、山頂曇り、後尾瀬沼快晴
コースタイム 大清水(7:23)=>一の瀬(8:02)=>三平下、尾瀬沼(8:57)=>長蔵小屋(9:12)=> 浅湖湿原、長英新道(9:20)=>ナデッ窪分岐(11:03)=>(11:27)俎ぐら(11:33) =>(12:03)柴安ぐら(12:23)=>見晴、下田代十字路(14:08)=>沼尻(15:22)=> (16:10)長蔵小屋(16:22)=>三平下(16:34)=>一の瀬(17:35)=>(18:19)大清水
標高差 1166m
大清水(1190m) 三平峠(1750m) 尾瀬沼(1670m) 燧(柴安ぐら)2356m 見晴1410m
行程 天気予報から関東は快晴だが、北の方は予報が少しおくれると、 前半はあまり良くない事が予測できた。しかし梅雨の間のまれな 週末の晴天を求めて燧に挑戦する事にした。

燧は最初に尾瀬沼に行った時から非常に気になっている山であり、 日帰りでは手が出しにくく、いつか登ってやろうと思い続けていた 山だった。自分の体力と、コース、時間を計算し、今回射程範囲内と 判断した。

なるべく早く出発すると言う事で、大清水を出発したのは7:23分。 薄曇り、時々日が差す天気で、シャツにベストで歩きはじめる。
ペースはそんなに速くない程度に押さえる。

一の瀬を越え、登山道に入ると風がこなくなり、少し斜度が増し 暑くなって来た。車道との合流地点でベストを脱ぐ。
雪道の記憶がかなり残っていて、夏道とはまったく感覚が異なった。 対比させながら歩くのは結構面白い。



尾瀬沼に到着、燧は雲をかぶっている。頂上に立つ頃には晴れて欲しいと 望みながら歩き続ける。尾瀬沼から長蔵小屋にかけては、風が心地よく、 少しひんやりしていて眺めも良かったので快適だった。



水芭蕉がまだ残っていた。



大江湿原の横断は、前回雪の尾瀬沼で歩いて渡った所、 昼に休憩した近辺で、すっかり夏景色になっていたけど、この川を 渡ったんだと思いながら歩く。

9:20分に長英新道分岐点に到達。今までの快適な木道とは異なり、 グショっとした黒い色の泥で歩き辛い。前半はあまり斜度がなく、 道は不明瞭なので木につけられてるマークを目印に歩く。

途中から斜度が増し、道幅は細くなり、両脇の笹薮をかき分けたり、 くぐったりしながら歩いた。足元は泥で良く滑る。

中間あたりから水が流れ、半分川のようになった中を歩く。結構 段差があったり、両脇がやぶでかき分けたり、下が滑ったりで、 歩きにくく、この道を下りで使うのは嫌だなと思った。 風が通らずムッとしていてかなり汗もかいた。



みのぶち岳(?)が見えて来るあたりから、雲の中に入った。 笹薮がなくなり、曇っているけど視界が広がって気分良くなる。

桜がさいていた。







ナデッ窪は通行止めとなっていた。



今までの鬱蒼とした雰囲気から、雲の中と雪の妙なコントラストで、 いきなり季節が戻ってしまった錯覚を受ける。



俎ぐらへの登りは、軽い岩場で面白かった。頂上は10人程度人がいた。 山の名前を示す表示はなかった。 雲の中なので眺めは全くない。柴安ぐらへのルートも良く分からず、 頂上をうろつき、明瞭な別の道に進んでみたけど、少し様子がおかしい。 地図とコンパスを取り出し確認し、引き返して柴安ぐらへの道を 見つけた。





雪の斜面を登ると柴安ぐら頂上だった。こちらには、至仏山頂と同じ ような、お墓みたいな山頂を示すものが置かれている。
NHKが撮影に来ていた。しばらく山頂に留まるが、見晴しが無いので 早めに下山する事にする。

行きの道を戻るのは、コンディションが良くない事と同じ道だと 言う事であまり気が進まない。
事前に見晴新道から沼尻を経由するルートの存在を調べていて、距離的には 少し遠回りになるけれど、尾瀬の知らない部分も見れる事、尾瀬沼 から大清水まではルートも良く知っているし少し遅くなっても 大丈夫という判断で、帰りはコースを変えてみる。



温泉小屋道分岐地点まではすごく気持の良い道だった。こちらにして 正解だと思いながら降りて行く。

しばらくの間急坂が続く。石がゴロゴロしているので、泥とは異なるが こちらも非常に気を使う道だった。

途中から雪渓と夏道が交互に出現するようになる。雪渓を歩くのは かなり好きなのだが、今回は夏道が出る直前の状態で気を抜くと踏み抜いて しまうので注意が必要だった。

もう十分下ったのではないかと思われる程下りが続き、時間も消費した。 ようやく見晴の分岐点に到達するが、この理由はこの後分かる。

沼尻への道は、延々上り坂だった。何となく尾瀬の一般道はあまり 坂の無い木道中心と思っていて、ここの標高差を見ておかなかった 事が敗因である。長英新道に比べ260m近く余分に下り、その分ここで 上り坂となったわけである。朝から歩き続けている足が、この登りで かなりへたって来た。

沼尻の近くまで来ると燧が見え始める。雲もとれ頂上が見える。 もう少し早くこうなて欲しかったものだと思う。



尾瀬沼は快晴で、沼尻からはあまり登り下りも無く、気持ち良く 歩く事が出来た。

長蔵小屋で帰りに備えてちょっと休憩する事にした。今日は分割して 昼食を取り、それもわずかに腰をおろしただけで後は全て歩いていた。 今日一番長い休憩を取った。疲れた。



一の瀬までは注意して下った。一の瀬からは退屈な道が続くので、 今日一日の行動を思い返しながら降りた。何故かずっとサックスの フレーズが鳴り響いていた。

感想 ずっと狙っていた燧に登れた。何回も考えていた日帰り計画だが、 多少コース変更で時間がかかったが達成できたので非常に満足している。
山頂からの眺めが無かった事と、コース変更の際に標高を確認しなかった 事が少し残念な事であるが、燧を東から西にかけて横断したかった事も事実。
非常に楽しかった。
今まで山に登って来た中で、今日は足がへたって来たので一番しんどい 登山となった。登り下りの標高差を考えると、1500m程度になる上に、 30Km近くを歩いたので当然かもしれない。約11時間歩き続けたのも 初めての経験だった。
雪の季節の頂上付近はどのようになっているのだろう?岩と氷の世界 なのだろうか、興味は尽きない。