甲斐 駒ヶ岳
出発日 2005年 10月22日、23日
天候 22日 曇り
23日 最初は曇り、山頂付近から快晴

コースタイム 22日
北沢峠(13:02)=>(13:37)仙水小屋(13:50)=>(14:19)仙水峠=>(14:53)仙水小屋
23日
仙水小屋(4:48)=>仙水峠(5:13)=>駒津峰(6:33)=>(7:53)甲斐駒山頂(8:26)
=>摩利支天(9:01)=>(9:50)駒津峰(10:23)=>仙水峠(11:20)=>仙水小屋
=>北沢峠(12:25)

標高差 標高差 937m 北沢峠(2030m) 仙水小屋(2140)仙水峠(2264)
駒津峰(2750)甲斐駒ヶ岳(2967m)

行程 22日

しばらくの間ブランクがあり久々の山だった。甲斐駒は北岳に登った時に
とても格好の良い姿が印象的で、いつか登ってやろうと目をつけていた山だった。

寒気が来ている為、天気の不安定さと寒さはある程度予測していたが、
晴れの天気予報だった22日、自宅を出発する時点でパラッと降っていたし、
芦安の駐車場に止めた時も今にも降り出しそうな曇天だった。

バスに乗り広河原に向かう。曇天ながら車窓から見える景色は紅葉や黄色に
彩どられとても美しかった。広河原からさらにバスに乗り北沢峠に到着。

北沢峠で登山届けを出した後、今日の宿である仙水小屋へ向かった。
最初はバス道を少し戻り左手の登山道に入る。
テント場、小屋を通り抜け、川沿いの緩やかな斜面を登っていく。
数回丸太の橋を渡った後、山林の中に入って行った。
途中1カ所ロープのある場所があったが無くても大丈夫。
仙水小屋の水力発電機が置いてあった。その先のちょっと急な斜面を
登りきると仙水小屋に到着である。受付をすませ部屋に入った。

明日は暗いうちから甲斐駒を目指すことになるので、仙水峠まで
下見に出かけることにした。
天候は今にも雨の降りそうな天気だ。最初は山林の緩やかな登りだった。
道はわかりやすく、これならば暗くてもまったく問題ない。

途中から雰囲気は一変して、樹林がなくなり、石が堆積した斜面となる。
風が強くなり、少しあられのようなものが舞っていた。
仙水峠についた瞬間、目の前に摩利支天がそびえて迫力があったが、
次の瞬間には雲の中に隠れてしまった。甲斐駒も雲の中だった。
天候には不安があったが、一瞬の摩利支天は登山欲をおおいにそそって
くれた。



宿の食事は4時20分くらいから始まった。ちょっと早かったけど
山小屋とは思えない程の、刺身もついていておいしい食事だった。
部屋のスペースも1人1畳以上あり快適だ。6時半消灯。
7時半に外に出てみると満天の星空にかわっていた。空気が澄んでいる為、
とても多くの星が見えて驚いた。天の川もはっきりと観察できた。
寒くなるけど明日は良い天気になると小屋の人から言われ、明日の
期待が俄然高まって来た。
なかなか寝付けず11時半頃に外に出てみると星空は一部分だけで多くは
雲に覆われてしまった。期待は少ししぼみそのうち寝付いた。

23日

4時前に起床、少し雪が降っていたが今後は晴れると言う小屋の人の
予報で元気づけられる。しっかり朝食をとり、5時前、暗い中出発した。
樹林帯を抜けると強風が吹きかなり寒い。仙水峠についた時には、
東の空が色づき始めていた。

駒津峰への樹林帯の急登に向かう。徐々に空が明るくなっていく。


樹林帯を抜けると強風で寒い。アウターを着込む。
ガスの奥に太陽の光が広がりオレンジ色で美しかった。
見上げるとまだ2つぐらいピークがあり、駒津峰まで再び樹林帯を登った。

駒津峰から甲斐駒はガスで見えない。樹氷が出て来た。ここから一旦下り、
登り返すことになる。結構岩があり今までよりコースとしては面白い。


今回は巻き道を使うと決めていたので、右側に進んだ。
白い地表の上に雪の粒が散らばっている。登っているうちに空が明るく
なって来て青空が徐々に見えて来た。


摩利支天も甲斐駒も見えて来た。
さらに西には富士山も見えてくる。頂上に着くまでこの青空が持つように
願いながら登り続けた。

甲斐駒の頂上に到着、晴れていた。風がとても強く、まだ周りに残っている
雲がとても速い速度で変化していく。360度のスピード感のあるパノラマだ。


鳳凰山とその向こうに富士山が見える。今年鳳凰山に登った時には
甲斐駒は雲の中で見る事が出来なかった。


北岳は想像よりもとんがって見えた。北岳に登った時の甲斐駒の勇姿を
思い出しながら眺めた。


仙丈が岳はどっしりとしている。少し雪の残っている時期に登ってみたい。


中央アルプス、御嶽山、乗鞍、北アルプスまで見渡せた。いずれも山頂は
うっすらと雪化粧だ。


ここから眺める八ヶ岳はとても魅力的だった。


いつまでもここに留まっていたかったが、体は冷えきっていた。
帰りに摩利支天に寄る事にした。首の無くなった像、複数の剱があり、
不思議な空間だ。


駒津峰まで戻り風の弱い場所を探して昼食を取った。
甲斐駒の姿が素晴らしかった。


仙水峠からの甲斐駒と摩利支天の眺めは、昨日とは全く違っていた。


仙水小屋に寄り、その後北沢峠まで降りて行った。
感想 北岳登山以来、ずっと狙い続けていた山だった。天気が悪かったので
山頂に立てるだけでも良しと思っていたが、山頂手前から晴れ始め
絶景を楽しむ事が出来た。登山道も適度に変化があったし、お気に入りの
山となった。

山頂直前までの曇天や強風と寒さは、山頂の感動を増幅する為の演出の
ような気がするくらいだった。